ミスター・ロマンチストの恋［感想］
ミスター・ロマンチストの恋
⚠BL小説の感想です。
突然のネタバレ、BLが苦手な方は注意です。
内容（「BOOK」データベースより）
高校三年の千野純直は、成績優秀な生徒会長でテニス部のエース。本当は内気な性格なのだがクールで渋いと女の子に大人気。そんな千野は密かに二年の有坂和志に恋している。有坂を一目見ることが楽しみな千野は、外見はかっこいいのに心は夢見る乙女。有坂もまた千野の不器用さに気付き、惹かれ始め…!?商業誌未発表作品、書き下ろし短編を収録。
(*´Д｀) ひんっっ千野さんが可愛いよおおおおっ
砂原糖子先生お初にお目にかかります…！
言葉ノ葉で有名なのを知っていただけで、そもそも、
「ミスター・ロマンチストの恋」は、ドラマCDの方が先でした。
全人類聞いてほしい。ほんとに杉山さんが素敵でかわいいし、
羽田野さんのセリフの言い回しがすこすこのすこで……。
杉山さん目当てで出会った作品でしたが、
実際購入したのは今からかなり前になると思うんですが
未だにかなりの頻度で聞いているドラマCDです。一番好き…！！
男子高生の千野さんが、今時の女の子でもあんまりいないだろうなって思う程
謙虚で乙女で、有坂君を思う姿がすっごくかわいい。
幼馴染の朋巳の後押しから、相合傘事件からはじまり、
有坂君が入って行った喫茶店が気になって入ってしまったりと、
こう見てると何事も自分の行動からじゃないと、待っていてもはじまらないんだなーと
遠くから見つめているだけでもいいと言っていた千野さんの事を応援したくなる。
途中、有坂の存在をアイドルのように感じていた千野さんが、
「生々しくかんじた」って表現しているところがあって、なんだかそれがやけにリアルというか…
リアルって言い方おかしいかもしれないけど、元々千野さんは
有坂君はスポーツ大会でリレーで一気にごぼう抜きした事から恋がはじまっているわけで
そもそものはじまりが、有坂君に千野さんが直接何かされたとかそういうわけじゃなく
本当に、第三者としてまるで画面の向こうの人みたいな感覚で憧れていたわけで
そんな千野さんが有坂君を近くに感じた瞬間がすごくときめいた次第です。
だからって有坂君は先輩の千野さんをすぐに好きになったりだとかしなくて、
元々マイナスの感情からはじまってるから、有坂君が千野さんの事を見るようになってから、恋がはじまったわけじゃないですか、またそれが素敵だなって。
度々千野さんの思いに心臓が押しつぶされそうになった。
ちょいちょい千野さんがネガティブ発言をするんですが
元々ノンケの、有坂君が自分にそういった好意を向けてくれるなんて、
千野さんは少しの期待もしていないと思うから（またそこが謙虚で可愛い）
だから後半の、思いが通じ合った後の千野さんの自身の無さが色んな要素から来てるんだろうなって。
男だということ、男だとしても自分はガタイの大きな男で、とか云々。
ドラマCDから入った身としては、
千野さんの三つ子の姉妹や、有坂君の元カノの存在に滾りました。
正直姉妹二人は鬱陶しいなあって"(-""-)"思っていたので
ドラマCDでわーきゃーならなくてありがたかったんですけど、
有坂君の元カノの話は結構、この原作でがっつり重要なところだったと思うから
是非、ドラマCDにも収録してほしかった。
元カノが、二人がいる部屋に乱入して来たシーンは、千野さんの気持ちを思うとせつなかったです。
ただなー…がんがんこじれてほしい人間とては、
元カノがバレンタインの日に有坂君の部屋に来て告白した時に
千野さんと出くわして、千野さんに傷ついてほしかったな…なんて（笑）
そして有坂君に元カノとの事を思い切り後悔してほしい(*´ω｀*)
だってさ！もったいないよ！！
朋巳と千野さんがキスした事は回収してるのに…
もっと元カノには邪魔してほしかったなーー。
でも、ドラマCDからの人間にとって楽しいサプライズとなりました( ´∀｀ )
アンチ王道BL者として、千野の見ていた姉妹から借りたBLコミックの内容もよかった。
そう、それとセリフというか、セリフの言い回しが大好きです。
「優しくするよ？」とか、、なんだろうな…
ほとんど有坂君のセリフなんですけど一々きゅんきゅんさせてくるので
千野さんずっと心臓どきどきしてんだろうなあ。
そんな言い回し、ぜひ羽田野さんの演技をドラマCDで聴いたうえで
原作でもご確認願いたいです。
読んでいて言い回しが羽田野さんボイス＋演技で勝手に再生されるので
ほぼほぼ羽田野さんの演技のせいな気がしてきたんですが、
全ては砂原さんの、あの見事な言葉の組み合わせのおかげですね！！！
中々こういった普通の学校での片思いからはじまって切ないものは
地雷避けていたら見つからないので、個人的に貴重な作品です。
学校ものといったらコメディ色が強かったり、やけに暗かったりするので
ほんとに、普通のってのがまだ私には見つける事ができてません。
そういったものがあったら是非教えていただきたいです（切実）
作品は十年以上前になりますが色あせない作品ってこういうのなんだろうなあ。
('ω')ノ
